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独占協議の判断基準

5分で分かる判例~

 

13回 独占協議の判断基準

 

最低再販売価格を拘束する協議が独占協議になるか否かいかに判断するか。

今回紹介する上海市高級人民法院の二審判決は、最低再販売価格に関する協議・決定その他の協同行為は、競争を排除・制限する効果がある限り、独占協議に該当し、最低再販売価格を拘束する行為の経済効果について、関連市場競争が十分か否か、実施企業が関連市場において支配的な地位を占めるか否か、実施企業は競争を制限する動機があるか否か、最低再販売価格を拘束する市場競争効果等四つの要素から総合的に判断されると指摘した。

 

【事実関係】

原告北京鋭邦涌和科貿有限公司(以下「鋭邦」という)は両被告ジョンソン(上海)医療器械有限公司(以下「ジョンソン上海」という)、ジョンソン(中国)医療器械有限公司(以下「ジョンソン中国」という)の北京地域における吻合器と縫合糸製品の代理店であり、被告と15年間にわたり提携していた。代理契約は毎年更新され、有効期限が一年とされる。2008年1月2日、三社は「2008年販売代理契約」(以下「販売代理契約」という)を締結し、2008年1月1日から同年の12月31日まで原告は両被告に指定された地域において縫合糸製品を販売すると約した。契約の添付資料五第2条によると、原告は両被告が定めた価格より低い価格で販売してならない。2008年7月1日、ジョンソン上海は原告が2008年3月にある病院の入札のとき、勝手に値下げしたという理由で、原告のかかる病院に対する販売代理権を取り消した。なお、本件の証拠として、原告はジョンソン上海のホームページにおける米国ジョンソンおよび縫合糸製品に関する悠長な歴史、全世界において縫合糸製品の市場占有率等に対する紹介を提供した。

原告鋭邦は次の通り主張した。かかる病院に対する販売代理権が取り消されたため、重大な経済損失を蒙った。両被告は、販売代理契約において再販売価格の拘束条項を約すること及びこの条項に従って鋭邦に処分を行いひいては契約を終了させる行為が「中華人民共和国独占禁止法」(以下「独禁法」という)第14条第1款第(二)項に列挙された「第三者に再販売する商品の最低価格を拘束する」という違法行為に該当するので、独禁法第3条、第14条、第50条の規定に基づいて両被告に鋭邦の経済損失を賠償させることを裁判所に訴えた。

 被告は、①本件に関する販売代理契約の締結および問題となる独占行為が独禁法が実施される前に既に発生したため、独禁法に適用しないこと、②本件において問題となる販売代理契約は両方の当事者により締結・履行されていたが、原告鋭邦が問題となる独占行為の直接参加者と実施者として、本件の適格な原告ではないことと反論した。

 上海市第一中級人民法院一審(以下「一審法院」という)は本件について被告が独占行為を行ったと認める証拠が不足であると判断した。したがって、原告鋭邦のすべての訴訟請求を却下した。

 鋭邦は一審判決に不服とし、上海市高級人民法院(以下「二審法院」という)に控訴した。

 

【判決】

 2013年8月1日、二審法院は一審法院の判決を取り消し、本件販売代理契約における最低再販売価格を拘束する協議(以下「本件協議」という)が独禁法の独占協議に該当し、被控訴人は本協議を作成し、かつ、本協議に従って控訴人鋭邦に処分を施す行為が独禁法に反し、鋭邦が被った相応な損失に対し賠償責任を負わなければならないと判断した。

 

争点】

1.本件は独禁法に適用すべきかどうか

2.独禁法に適用できれば、鋭邦は本件販売代理契約における最低再販売価格条項の締結者と実施者として、適格な原告であるかどうか

3.本件協議は独占協議に該当するかどうか

 

【判決意見】

1、本件は独禁法に適用する。独禁法は2008年8月1日に実施された。本件の販売代理契約は2008年1月2日に締結されたにもかかわらず、有効期限が2008年12月31日に到来する。独禁法が実施された後に、契約を終了せず、ジョンソンと代理店が契約の履行を継続して本件問題となる独占行為を実施していたため、本件は独禁法に適用すべきである。

2、控訴人鋭邦は本件の適格な原告である。第一、代理店は最低再販売価格の拘束に従い最低価格より低い価格で販売できず、一部の顧客と利益を失う可能性があるので、独禁法第50条の独占行為により損失を被る民事主体に当てはまる。第二、契約当事者以外のステークホルダーは通常独占協議の詳細情報を把握しがたいため、事情を知り、証拠を取得している独占協議の当事者が独禁訴訟を提起することを許可しなければ、独占協議のような違法行為が追及されなくなる。最後に、最高人民法院が独占紛争に関する審理規定第1条によると、独占行為により引き起こされた民事紛争は、独占行為により損失を被り、及び契約の内容・業界協会規則等が独禁法に違反して争っている自然人・法人その他の組織が人民法院に提起した民事訴訟事件を指す。控訴人は被控訴人との販売代理契約の内容が独禁法に違反するか否かについて争いがあって訴訟を提起したので、本条の規定により控訴人は適格な原告である。

3.本件協議は独占協議に該当する。理由は以下の通りである。

 (1)関連市場(本件関連市場は中国大陸地区における医用縫合糸製品市場を指す)の競争が不十分であることが独占協議と判断する重要な要素である。病院の仕入れコストが患者への転嫁、医者および看護師がジョンソン製品に対するブランド依存、医用縫合糸製品の市場への新規参入にかかわる厳しい条件及び15年間にわたりジョンソン縫合糸製品の不変な定価等からみれば、医用縫合糸市場は競争に欠ける市場であると言える。

 (2)ジョンソンは関連市場に支配的な地位を占めている。ジョンソンは関連市場に高い市場占有率、かつ、15年間に不変な定価から見ると長期間にわたり圧倒的な価格決定の力がある。ジョンソンの高い社会評判及びジョンソンの代理店に対する強いコントロールを加え、ジョンソンは支配的な市場地位を占めていると証明できる。

 (3)本件協議の動機は価格競争の回避である。ジョンソンは代理店の自主的な値下げを禁止するばかりか、市場値下げの圧力の下で受身の値下げをもって代理店に対しマイナス評価をする。そのうえ、ジョンソンは縫合糸製品が競争の劣勢に立たされたときにも、値下げをせず、顧客との関係を通じて価格を維持する。

(4)本件協議は明らかに競争を制限する効果があり、競争を促進する効果が目立たない。まず、本件協議は以下のような競争制限の効果がある。ジョンソンは長期間にわたり本件縫合糸製品の価格を競争価格の上に維持し、他のブランドにも価格競争を回避する機会を与え、そこで関連市場の価格競争が弱まる。加えて、ジョンソンは効率的な代理店を外し、その価格体系を維持できたものの、消費者の利益を損なっていた。次に、本件協議は、製品の質及び安全性を向上する効果、代理店の「便乗」問題を解決する必要性、最低再販売価格の拘束を通じて新ブランド・新製品を関連市場に進入させる必要性、製品評判の維持・代理店体系の拡大等その他の経済学上解釈できる競争促進及び消費者の利益共有等の効果があると証明されていない。

 したがって、販売代理契約における本件協議は独禁法により禁止されている独占協議であり、被控訴人は本件協議を作成し、それに従い控訴人を処分する行為が違法行為であると認める。一審判決は確実に錯誤があり、是正しなければならない。

 

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