中文English日本语
Home > News&Topics

商業秘密の構成要件及び損害賠償額の確定

5分で分かる判例~

 

11回 商業秘密の構成要件及び損害賠償額の確定

 

 

技術情報又は経営情報が商業秘密になるか否かをどのように判断するか。商業秘密を侵害する行為に対し、どのように損害賠償額を確定するか。

今回紹介する上海市高級人民法院の二審判決の判旨は、次の通りである。まず、技術情報又は経営情報が商業秘密になるか否かは、次の3つの要件を満たすか否かによる。即ち、1つ目は公衆に知られていないこと、2つ目は権利者に経済的利益をもたらし、実用性があること、3つ目は権利者が秘密保持措置を講じていることである。また、権利侵害行為により商業秘密が公衆に知られた場合、かかる商業秘密の商業価値に基づき損害賠償額を確定しなければならない。商業秘密の商業価値は、研究開発コスト、実施による収益、得られうる利益、及び競争優位の保つ期間等の要素を総合的に考慮して確定することができ、研究開発に投入した金額のみに基づき損害賠償額を確定することではない。

 

【事実関係】

億帆富薬業股有限公司(以下「富公司」という)が発明し所有するビタミンB5関連技術」(以下「本件商業秘密」という)は、2003年度国家技術発明二等賞を取得し、かつ会社はかかる生産技術情報の全てに対し秘密保持措置を講じている。

2006年の初めから20079月まで、新発薬業有限公司(以下「新発公司」という)はその安保部長である姜紅海を派遣して、第三者を通して富公司の従業員(馬吉)を買収し、本件商業秘密を不法に獲得した。富公司の従業員及び仲介人等に総計10数万人民元を支払った。

2009223日、江省杭州市中級人民法院は(2009杭刑終字第75号刑事裁定を下し、江省臨安市人民法院が出した(2008)臨刑初字第358号刑事判決を維持した。当該刑事判決は、姜紅海及び馬吉が商業秘密侵害罪を犯したと認定し、それぞれに有期懲役及び罰金を言い渡した。

富公司は、「新発公司が姜紅海及び馬吉等を指図し又は利益で誘って、不法に本件商業秘密を獲得し、かつ上記の不法手段で得た本件商業秘密をその生産経営に使用し、これにより富公司に重大な経済的損失をもたらした」ことを理由に、上海市第一中級人民法院に起訴し、「新発公司が本件商業秘密への侵害を直ちに停止するほか、姜紅海、馬吉及び新発公司が富公司に対し経済的損失31,557,903.87人民元及び合理的費用150万人民元を連帯して賠償する」ことを要求した。

一審の裁判所は、次のような判決を下した。即ち、新発公司は、本件商業秘密への侵害を直ちに停止すること、姜紅海、馬吉及び新発公司は、富公司に対し経済的損失35,358,377.86人民元及び合理的費用10万人民元を賠償し、かつ三被告は上記の債務について連帯責任を負うことである。

新発公司は、一審判決に不服し、上海市高級人民法院に上訴した。

 

【判決】

一審判決のを維持し、本件商業秘密への侵害を直ちに停止するよう新発公司に命じる。一審判決のを「新発公司、姜紅海及び馬吉は、本判決の効力発生日より10日以内に、富公司に対し900万元の経済的損失及び10万元の合理的費用を賠償し、かつ三被告は上記の債務について連帯責任を負う」ことに変更する。

 

争点】

1.係争中の技術情報が商業秘密になるか。

2.新発公司、姜紅海及び馬吉の行為が権利侵害行為であるか。

3.新発公司、姜紅海及び馬吉の行為が権利侵害行為である場合、損害賠償額をどのように確定するか。

 

【判決意見】

1.技術情報又は経営情報が商業秘密になるか否かは、次の3つの要件を満たすか否かによる。即ち、1つ目は公衆に知られていないこと、2つ目は権利者に経済的利益をもたらし、実用性があること、3つ目は権利者が秘密保持措置を講じていることである。まず、江省臨安市人民法院の(2008)臨刑初字第358号刑事判決書及び江省杭州市中級人民法院の(2009杭刑終字第75号刑事裁定書では、係争中の技術情報が公知でない情報であることを明確に認定した。次に、上記の公知でない情報は富公司の生産技術情報であり、富公司に競争優位及び経済的利益をもたらすことができる。そして、上記の効力発生した刑事裁判文書とも、富公司がかかる生産技術情報について秘密保持措置を講じていることを明確にした。従って、係争中の技術情報は商業秘密の構成要件を満たしており、係争中の技術情報が商業秘密になるといった一審裁判所の認定は事実及び法律の根拠を有する。

2.江省臨安市人民法院の(2008)臨刑初字第358号刑事判決書及び江省杭州市中級人民法院の(2009杭刑終字第75号刑事裁定書では、次の事実を認定した。即ち、新発公司が姜紅海を臨安に派遣して富公司の従業員を物色し、不法に富公司の生産技術及び情報資料を獲得したこと、馬吉が大量の技術情報資料を新発公司の李新発及び姜紅海等に提供したこと、新発公司が電子メールで馬吉に対し技術問題を提出したこと、及び新発公司が馬吉等を要請して新発公司にて技術指導を行ったことである。これらの行為は、姜紅海、馬吉及び新発公司が不法に富公司から本件商業秘密を獲得したことを表明し、共同の不法行為になる。また、新発公司が本件商業秘密を使用したか否かについて、当裁判所は、次の事実に基づき、新発公司が本件商業秘密を使用したと認定する。即ち、新発公司が不法に本件商業秘密を獲得する目的は、それを使用してその生産技術を高めることにあること、新発公司が馬吉に技術問題を提出し、かつ馬吉を要請して新発公司にて技術指導を行ったこと、及び新発公司が2006年~2007年において経営利益を大幅に引き上げたことである。

3.本件では、富公司が研究開発に投入した金額に基づき、権利侵害行為により受けた損害額を直接確定することができず、富公司の実際損失を証明する他の証拠もないため、富公司の損失を正確に計算することが難しい。富公司は証拠を挙げて新発公司の2006年度及び20071月~9月の利益状況を証明したが、新発公司の全体的利益は色々の出所があり、全て本件商業秘密によると認定することが困難なため、新発公司が権利侵害により得た利益を正確に計算することも難しい。それに、参考となりうる合理的なライセンス料の存在を証明する証拠もない。新発公司の2005年度決算は赤字であったが、2006年度は4,661,478.46人民元の利益を出し、2007年度1月~9月は93,880,684.16人民元の利益を出した。新発公司が2006年から20079月まで生産経営から得た利益と、その権利侵害行為との間では、一定の因果関係が存在する。本件商業秘密が新発公司の経営における貢献度を正確に認定することが難しく、その権利侵害行為により得た利益を正確に計算することも難しいが、その権利侵害行為により得た利益が法定賠償上限額の100万人民元を遥かに超えたと証明する証拠がある。よって、法定賠償方法による賠償額の確定が本件に適用せず、事情を斟酌して法定賠償上限額の100万人民元以上で賠償額を確定すべきである。当裁判所は、新発公司及び姜紅海、馬吉の権利侵害行為に主観的悪意が明確であること、継続期間が比較的に長いであること、新発会社が権利侵害期間中において高額の経営利益を得たこと、新発公司が権利侵害により得た利益も相当の金額になるはずであること、富公司の研究開発に投入した金額が3500万人民元を超えたことを考慮し、損害賠償額が900万人民元と確定する。

 

Diamond Legal

Focus on Excellence

沪ICP备05018036号