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社名の略称も不正競争防止法の保護対象

毎月最高裁が発行する「公報」には、指導性判例や典型判例等が掲載されています。

DLでは、その中の判例を毎月12件選んでご紹介致します。

 

 

5分で分かる判例~

 

第5回 社名の略称も不正競争防止法の保護対象

 

 

日本でも中国でも自社の正式社名とは別に、対外的に略した社名を使うことが多い。また多くの場合、こういった略した社名は、正式な社名ではなく、商標登録もしていないことが多い。こういった社名の略称は保護に値するか。

最高裁の公報201412月)で紹介した下記の指導性判例によると、企業が正式の社名とは別に、社名の略称を長期的、広範囲に対外的に使用し、市場において一定の知名度があり、かつ関連する公衆に公知し、事実上の商号と認められる場合、企業名称として保護すべきである。勝手に第三者が事実上の商号と認められる企業名称の略称を、商業活動においてインターネット検索エンジンの有料スポンサーキーワードとして利用し、関連する公衆に誤認させる場合、不正競争行為に該当する。

 

【事実関係】

1986年11月1日、原告「天津中国青年旅行社」が設立。遅くとも2007年に地元の新聞等は、同社主催のイベントを報道する際に、同社のことを「天津青旅」と略称した。同社もまた対外的な見積書、契約書、同業他社との提携協議書、領収書等資料及び、主催したイベント、事業所の看板等で「天津青旅」を自社の略称として使用している。

2010年7月6日、被告「天津国青国際旅行社有限公司」が設立。2010年末、GOOGLEBAIDU等検索サイトで、「天津中国青年旅行社」又は「天津青旅」をキーワードとして検索したら、一番トップに表示されたスポンサーの位置に、「天津中国青年旅行社オンラインショップ www.lechuyou.com 天津国青オンライン営業所、等。」又は、、「天津青旅オンラインショップ www.lechuyou.com 天津国青オンライン営業所、等。」といった文字が表示され、クリックすると、被告の社名、連絡先等情報が表示したサイトにアクセスすることになっている。

本件は1、2審だけでなく、最高裁に再審まで申請した判例である。以下はDLが最高裁の再審判決文及び最高裁の公報(判例の抜粋)に基づき整理したものである。

 

【判決】

1、      被告は、直ちに「天津中国青年旅行社」、「天津青旅」の使用、及び同文字を自社サイトの検索用キーワードとしての使用を停止すること。

2、      被告は、判決の効力発生後30日以内に、自社サイトにおいて連続15日間、謝罪声明を掲示すること。(当該謝罪声明は裁判所の審査を受けること。期限通りに履行しない場合、裁判所は判決の主たる内容を公示し、その費用を被告が負担するものとする。)

3、      被告は、原告に3万元の損害賠償金を支払うこと。

 

【争点】

1、      問題のサイトに、被告の社名、連絡先及び被告の商品紹介が掲載しているだけで、被告が同サイトを運営しているといえるか。

2、      原告は「天津青旅」を企業名称又は商標として登録していていないが、原告にはその独占使用権を認めるべきかどうか。

 

【判決意見】

1、問題のサイトに、被告の社名が表示しているだけでなく、サイトの著作権者も被告だと表示しており、かつ掲載してる電話、ファックス、住所及び営業許可書、税務登記書並びに旅行業免許等免許の情報も、被告のものと一致する。また、サイトで宣伝しているものも被告の旅行商品であり、被告の従業員の名刺に表示している会社のHPのアドレスも問題のサイトと同じであることから、問題のサイトと被告とは密接な関係にあることを裏付けている。上記事実に基づき、被告が問題のサイトの事実上の支配者と認定した原審には、間違いがない。

2、天津中国青年旅行社は1986年から国内?海外旅行業務を経営し、その社名及び社名略称「天津青旅」は、長年の経営、使用、宣伝等で、天津地区において比較的高い知名度を有する。「天津青旅」は企業の略称として、天津中国青年旅行社との間に安定的な関連関係ができており、事業者を識別する商業標識の意義を有する。一定の市場知名度を有し、関連公衆に熟知され、かつ事実上商号としての機能を有する企業名称の略称は、企業名称と見做し、「不正競争防止法」第5条第3項[i]の規定に基づいて保護することができる。

 

注:本判例は201412月第218期公報により



[i]「不正競争防止法」第5条

事業者は以下に記載する不正手段を用い市場取り引きをし、競争相手に損害を与えてはならない。

3)勝手に他人の企業名称または姓名を使用して公衆に当該他人の商品であるかのを誤認させること。

中国語原文:

第五条 【禁止仿冒】经营者不得采用下列不正当手段从事市场交易,损害竞争对手:

(三)擅自使用他人的企业名称或者姓名,引人误认为是他人的商品;

 

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